防寒テムレスも重ね着推奨

イグルー・作り方技術
防寒テムレスのボアのインナーを切り取りました。

イグルー作りに最適な防寒テムレス。以前、オーバー手袋と毛の手袋の重ね着だけだったときは出来上がるまでにオーバー手袋はびしょびしょになっていましたが、テムレスのお陰でイグルー作りは快適になりました。これまでも推奨してきましたが、そろそろ10年近く使って長所と短所がわかってきました。

防寒テムレスは中が濡れると乾かすのが難

手袋の中に雪くずが入ったりして、中のボアが濡れることもあります。雪は溶ける前に出すよう努めるのですがそれでも濡れる。そうすると、中を乾かすのに苦労します。よる乾かすため完全にひっくり返して懐にいれるのも大変です。指の部分がなかなかひっくり返らない。日帰りや一泊くらいなら濡れても我慢しますが、長期山行の場合、朝までに乾かしていないと翌朝凍傷になることもあります。

それに中のボア素材はストック握りしめのラッセルなんかに使って一冬フルで使うとぺっちゃんこになって、全然暖かくなくなります。寿命が短いです。

左から薄いオーバー手袋、厚いウール(ハンガロン)、薄いウール、ポチロン

厳冬期長期山行の手袋は一晩で乾かせる重ね着式

山岳部員の定番は、薄いオーバー手袋+ウールの手袋でした。インナーの手袋は、気温に応じて薄いの、厚いのを使い分け、早朝氷点下13度以下や猛吹雪の体力消耗時など最大ピンチの指先が凍りそうなときにはハンガロン(厚いウール)を出しました。

薄いオーバー手袋は濡れたり凍ったりしても寝るときは放置でOK。乾かす必要もなかった。びしょ濡れでもマットの下敷きで氷漬けにしていました。どうせ朝イチで寒ければ凍って乾くし、暖かければそのまま乾くから。

濡れたインナー手袋は脇の下や懐に押し込んで眠れば、体温で朝までには乾きました。実によく出来ていました。

防寒テムレスの中ボアを切り取ったものと重ね着する薄いウール、ポチロン

テムレスでも重ね着が良い

同じようにテムレスも、内外一体型の「防寒テムレス」ではなく、「普通のテムレス」+毛の手袋(インナー)が良いと思います。ただし、普通のテムレスをわざわざ買わなくてもよく、いま持っている防寒テムレスのボアがクタクタになってきたらハサミで切り離して、中に履く手袋を別に用意すればよいです。

もちろん、初めて買うなら防寒テムレスでなく、大きめの普通のテムレスを買えばよいです。寒冷地のホムセン以外でも手に入りやすいし、低価格です。

おすすめのインナー・「ポチロン」

中厚のウールなら何でも良いのですが、ウールでなくても私のおすすめは「ポチロン」という化繊で中がボアの手袋です。ポチポチがついていて、これだけでストックを握ってもフリクションがあり、何よりすごく丈夫で、普通のウールの手袋なら擦れて穴があき補修が頻繁なのに、ポチロンはすごく長持ちします。穴が空いた事がありません。もちろん化繊なのでマイナス13度以下くらいだときついのでウールも用意しておいてください。

裏起毛の秋、冬(低山)、春用手袋、ポチロン178円 - tanigawaさんの日記
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テムレスのさまざまな用途

イグルー内で炊事の雪取りでも、壁からノコでかけらを切り出して鍋に入れたり、隙間ふさぎのかけらをつまんだりするのに、冷たい雪に触らずにすみ重宝です。

他にも茹でたスパを取り分けるのに、直接茹で汁に手を突っ込んで麺を掴んで分けられます。箸でやるより早い。

更にはフンをしたあとペーパーレス水洗いで尻を拭くのにも結構便利。食用とは左右で区別してください。

結局雪山の手袋は薄テム、オーバー手、毛厚、毛薄、ポチの5種です

オーバー手しかなかった以前は、ストック握りしめてラッセルする摩耗で、オーバー手によく穴が空いてしまい、ツギハギだらけでした。かなり高価だったので直してつかいました。しかし、最近は極低温猛吹雪のときだけオーバー手+ウール、あとのほとんどはテムレス+ポチロンで済むので、オーバー手が長持ちするようになり嬉しいです。それに最近、こういう重ね着できる薄いオーバー手袋、あまり売らなくなってしまいました。長期山行をする人が減ったせいかもしれません。

いつでもテム・ポチ→オーバー・ウールにチェンジできるよう、雨蓋に入れてあります。吹雪の中で取り替えることになるので、ゴムバンドをつけておきます。

 

 

 

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