こんにちは、イグルスキー米山です。
今回ははじめてイグルー講習会をしたときの話です。
青森の山岳会で、講習会をしました
2008年に青森に転勤した時、青森の山岳会(山岳同人たがじょ)に入って、八甲田、白神、津軽、下北半島の山を登りました。
引越し先でその土地で登る人達には、さまざまなことを教わります。この山にはこの山の事情があります。
たとえば八甲田の樹林限界以上のところは冬の間は吹雪が絶えず、登っても彷徨うだけで、かえって1000m以下の山のほうが楽しく登れることなどを知りました。だって標高0mから積雪2〜3mで山みたいなものなので。
総勢25人でイッコずつ・個性さまざま
萱野茶屋という、八甲田の中腹の牧場のようなところに集まって、イグルー講習をしました。
はじめにイッコ作って見せて、それぞれ皆で作ります。人それぞれ、性格が反映されて面白いです。
この頃はまだ、長細いブロック式も幅厚の壁式も、私自身意識しておらず、たいして教える言葉も持たず、ただやってみせるだけだったのですが、カンのいい人は一度見たら自分の中でコツを掴んで次々と作り上げていきました。
ビバーク用突貫イグルー練習
この講習では、雪山で一人で孤立した時になんとか夜を過ごすための緊急イグルーも作りました。
追い詰められた精神状態でも落ち着いて夜を過ごす、30分ほどで作れる小さいイグルーです。
ここ、萱野茶屋は、1902年、日露戦争を前に八甲田雪中行軍の訓練山行中に疲労凍死した青森陸軍第五連隊の200人も通過しています。わずか百年前の近代化した日本人は、冬山登山の基本的な行動技術も知らずに大きな犠牲を払いました。いまここは酸ヶ湯温泉まで通年除雪され、車で行き過ぎるだけの場所です。
いつか、青森第五連隊と同じルートを、スキーで八甲田縦断し、遭難地あたりでイグルー泊してお弔いをしたいと思っています。青森の人達はユーレイが出る、と怖がっていますが、彼らの話をきいてみたいです。
きょうはここまで、またね。
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