こんにちは、イグルスキー米山です。
きょうは私のイグルー技術も変わってきているという話です。
以前は私も難しい方法しかしらなかった
以前のイグルー作り写真を見ると、ブロックの上側をどんどん傾けて、隣同士をもたれあわさせて作っていました。きのうのブログで15年前の函館時代のイグルー写真を見ていて気が付きました。今の方法とは違います。
ずいぶん前から講習をしたりしていますが、昔のやり方だとやはり誰にでも作れるというわけにはいきません。それでも上手な人は作ってしまうのですが。この方法でも雪が悪くなければ40分で作れますが、いきなりは難しいです。
今の方法の肝は二つ
その一・幅広せり出し・アルベロベッロ法
壁の厚みを持たせ、幅のあるブロックを載せて内側にずらし、段々に壁を内側へ寄せる。つまり、ブロックの上面を内傾させない。内傾させると、どんどん積んだ上のほうは急になり最後は滑り落ちるからです。
これを思いついたのは、イタリアのアルベロベッロの世界遺産、粘板岩の瓦を積んで作る三角屋根の住宅の村を訪ねたときです。
素材が平たい岩だから傾けたら危ないですよね。昔、屋根のある家に課税する役人が来る日に、「屋根なんかねえよ!」と、すぐに取り外せる屋根の住宅を作ってとぼけたのが由来だとか。
重ねる板の幅が、内側にせり出す長さに対して十分あるならば、落っこちないのですね。限度はあるけれど。村の景観が、まるでイグルー講習会やった時みたいだったので思いつきました。
その二・長細ブロック組み上げ、ラテルネンデッケ法
長細いブロックで円弧の縁に橋掛けをすれば、どんどん屋根はふさがります。これはラーメンどんぶりに置いた箸や、井桁で組む焚き火の焚き付けなんかでヒントとしました。
ある時一緒に泊まった建築家の友人がイグルー天井を見上げて、「これはラテルネンデッケと言ってアフガン〜パキスタンのイスラム寺院やチベット僧院の丸屋根にあるよ。バーミアンの時代からある」と教えてくれました。古代建築家もやっていた技術だったのですね。
最近のはやりは、長細く平たい板状ブロックを切り出して、ダンゴムシか三葉虫の腹みたいなのが、一気に早くふさがって未来型イグルーです。
きょうはここまで。またね。
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