こんにちは、イグルスキー米山です。
きょうは私のイグルー技術も変わってきているという話です。
以前は私も難しい方法しかしらなかった
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2005年4月@幾春別岳
以前のイグルー作り写真を見ると、ブロックの上側をどんどん傾けて、隣同士をもたれあわさせて作っていました。きのうのブログで15年前の函館時代のイグルー写真を見ていて気が付きました。今の方法とは違います。
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ころころのブロックを斜めに組んで屋根を塞ごうとしている。この方法は滑り落ちて結構難しいです。2005年2月@オロフレ山
ずいぶん前から講習をしたりしていますが、昔のやり方だとやはり誰にでも作れるというわけにはいきません。それでも上手な人は作ってしまうのですが。この方法でも雪が悪くなければ40分で作れますが、いきなりは難しいです。
今の方法の肝は二つ
その一・幅広せり出し・アルベロベッロ法
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村中、全部これです。壮観です。南部のアドリア海側の内陸の町です。
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平たい粘板岩を丁寧に水平に並べて屋根を作る伝統家屋です。ホテルです。
壁の厚みを持たせ、幅のあるブロックを載せて内側にずらし、段々に壁を内側へ寄せる。つまり、ブロックの上面を内傾させない。内傾させると、どんどん積んだ上のほうは急になり最後は滑り落ちるからです。
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これは展示の模型です。イグルーに似ているな、と思いました。
これを思いついたのは、イタリアのアルベロベッロの世界遺産、粘板岩の瓦を積んで作る三角屋根の住宅の村を訪ねたときです。
素材が平たい岩だから傾けたら危ないですよね。昔、屋根のある家に課税する役人が来る日に、「屋根なんかねえよ!」と、すぐに取り外せる屋根の住宅を作ってとぼけたのが由来だとか。
重ねる板の幅が、内側にせり出す長さに対して十分あるならば、落っこちないのですね。限度はあるけれど。村の景観が、まるでイグルー講習会やった時みたいだったので思いつきました。
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ラテルネンデッケとアルベロベッロ両方の特徴を持つ最強の屋根材です。
その二・長細ブロック組み上げ、ラテルネンデッケ法
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4月の腐れ雪で、なんとか完成。長細い材でなんとか橋渡しを試みている。ちょっとラテルネンデッケと言うには美しくないですが。2016年4月@権現岳
長細いブロックで円弧の縁に橋掛けをすれば、どんどん屋根はふさがります。これはラーメンどんぶりに置いた箸や、井桁で組む焚き火の焚き付けなんかでヒントとしました。
ある時一緒に泊まった建築家の友人がイグルー天井を見上げて、「これはラテルネンデッケと言ってアフガン〜パキスタンのイスラム寺院やチベット僧院の丸屋根にあるよ。バーミアンの時代からある」と教えてくれました。古代建築家もやっていた技術だったのですね。
最近のはやりは、長細く平たい板状ブロックを切り出して、ダンゴムシか三葉虫の腹みたいなのが、一気に早くふさがって未来型イグルーです。
きょうはここまで。またね。
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三葉虫かオームか。虫の腹状で、もはやイグルーというより未来基地。このブロックが切れてしまえば、超ラクです。2021.5@栂池
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