お待たせしました!今季もイグルーブログ再開です。
ことし夏に松本へ引越しました。もう「あずさやしなのの運休で講習中止」ということもなくなります。今年も松本市の岳都まつもとフォーラム主催の山ゼミで、個人・一般向けの講習を2月と3月に二度行う予定です。日程告示も募集もまだのようですが、こちらでお知らせする予定です。↓
シーズン初イグルー
松本市内からの乗鞍岳は里から見える3000m峰として、11月頃から白く輝いています。スキー場のある2000m以下のあたりはようやく今週12/9、スキー場がオープンしました。といっても一番下のリフト一本のみでしたが。きのう12/10に、イグルー作り大好きのトモエさんと、雪の様子見と適地の下見を兼ねて、初イグルー稽古に行ってまいりました。
リフト終点までシール登行でゆっくり登って2時間半。リフトはないけど自力登山者のシュプールがたくさん。山頂方面にもたくさんの人が登っていました。ちょうど2000mの平地で、時間の頃合いがよく、ここで本シーズンの一発目を並んで作りました。
どうする?初冬のふわふわ雪
雪はふわふわで、下の笹まで50〜60cmほど。スキー無しでラッセルしたら泣きたくなる積雪状態です。そのまんま切ってもブロックは作れない雪です。こういうときは踏み固めて、ブロックができる雪を自作するのです。私も最初期は、ふわふわ雪を踏み固めてイグルーを作りました。テントを張る時そうするからそうしていたのですが、次第に、ふわふわの下の層は踏まなくてもブロックができることを発見してからは、踏むよりもどけた方が早いことに気が付き、いまではふわふわ雪を踏まずにどけています。今回はどけると笹になっちゃうので、固めてブロックにするというわけです。
雪とり場を外にも作る
10分くらい敷地面積分を踏み、そこの斜面上部にも同じくらいの広さの雪とり場を踏みます。敷地の足元から下へ二段、三段とブロックを取れればそこだけで良いのですが、今回は一段か、とれても二段で笹が出ます。側面もどうせふわふわだから三角柱切り出しもできません。そういうときは、敷地の外側にもブロック切り出し場をつくるのです。その場合は隣接した斜面上側で、両者の間にブロック一つ分の幅を残してください。そこに壁を積みます。そして両者の間の通路が完成時の出入り口となりますから、狭くしておいてください。あとで塞ぐのが楽なので。後半はブロックを外から運び入れるので出入り口の梁は最後まで閉じられません。
トレンチで切り出し。長いやつを確実に
トレンチ憶えていますか?確実に長いブロックを切り出す方法です。トレンチ(溝)を作ることで、確実にのこぎりの切れ目を入れることができ、確実に無駄なくブロックを取る方法です。踏み固め雪は有限で少ないからです。
踏まないと得られないブロックは貴重なので、きっちり取れるよう、トレンチを切って着実に。壁の一段目はおおきいやつ。壁の二段目はもう長いやつを取りにかかります。小さいブロックをなるべく出さないように。今回は第一フミ場で壁一段目、第二フミ場で壁2段目や3段目をとりました。トレンチ法で長いやつを狙って切り出します。踏み方が甘かったりすると、途中で折れたりします。長いブロックさえ取れれば、どんな場所でも屋根ができます。イグルスキーは50分で完成。トモエさんは、後半、雪とり場の材が枯渇して、根負けしましたが、あと2,3本長いのが取れれば完成のところに迫りました。
今回の学びは、100%ふわふわ雪でも、固めればなんとかなる。足元が浅ければ、隣に供給地の領土を拡張する。です。最後に今回の「事後」設計図を図解します。こんな感じで切り出しました。
きょうはここまで、またね。
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