登山用イグルーです

イグルスキー式は、登山用です

北極圏先住民の住居の名を借りていますが、作り方、大きさ、製作所要時間は大きく違います。やり方を教わって(理解して)数回自分で練習すれば、誰でも身に着けられる冬山革命技術です。私が長くしつこく続けて、独自に発想して発達させた方法なので、やってみれば納得なのですが、なかなか同じものを作った人には会ったことがありませんでした。長期間、長距離、記録薄(きろくうす)の山域の冒険山行を愛好するのに、非常に適した方法です。

これまで北大山岳部関係と私の知人だけに広めてきましたが、2021年にwebsiteを作り、知りたいと思う人に伝えることにしました。

1時間以内で作る

テントや雪洞よりも優れているので、テント設営並の所要時間で作りたいです。テントの整地、雪壁積み、撤収時間を入れれば、1時間イグルーで快勝です。講習で初めて作る人は2時間くらいかかっても、どんどん早くなります。

壁と屋根で2種類のブロック使い分け

イグルスキー式は、壁部分は二段までは大きなブロックです。屋根部分は軽くて固い雪で細長いブロックを切って作ります。この長いブロックは「かるかた雪」の層を深層から見つけることでできます。その金の鉱脈は、無いかな〜と思っても、なぜかいつも見つかります。

厳しい山ほどラクにできる

かるかた雪層を掘り当てるのがカギなので、高山、極地だとすぐ見つかります。積雪がずっと低温度のままで、融解再結晶していないこと、風が強くて、新雪の吹き溜まりがぶっ飛んでいること。それでも地面が見えるほど強風の場所ではないこと。多分イヌイットの作る本場イグルーも、そんな雪を使っています。北に行けば低標高でもあるのです。

見かけが小さいのが特徴

足元から掘ったブロックを壁として周りに積んでいくので、倍速で穴ぼこの底になりますから、すぐに壁をやめて屋根に移ります。みかけのドーム部分は小さくて4人用テントくらいですが、下は深く、しかも壁の真下の部分(ここがかるかた雪層)も横に掘ってブロックを取り出すので中は広く中央の天井は高いです。軽トラの荷台の面積に縦1.5mくらいの量の雪をブロックとして使い空間を作るイメージです。ドームを小さくすることで製作時間も短縮。中の雪を建材として搬出することで排雪時間も省略です。

安全性はどうでしょう

屋根が落ちてケガしないか?という心配ですが、屋根材はかるかた雪なのでたとえ落ちてもたんこぶもできません。ストーブ炊き過ぎ(何時間も)で下がってきたこと、雨の降る夜に落ちてきたことはあります。強風や豪雪で壊れて、天場を失ったことはこれまでの200泊近くで一度もありませんでした。低温、悪天のときほど、雪が付着し、ブロック同士がくっつき合い、イグルーは固く、強くなっていきました。

 

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