こんにちは、イグルスキー米山です。
大きすぎるイグルーは壁が高くなってサイロになってしまいます。失敗の常道なんですが、それでも屋根を塞げる奥の手があります。きょうはそれを発見した記念すべき山行の話です。
袴腰岳が2つ!
今回も津軽半島の袴腰岳のイグルーです。津軽半島には20km離れて袴腰岳が2つあります。紛らわしいのですが、今回は北の袴腰(半島最高峰)です。
だいたい、袴腰と烏帽子と茶臼は日本中あちこちにあります。どれも山の形から名付けた昔の日用品です。袴腰は袴を付けた姿、つまり富士山みたいな形良い台形山の名に付きます。ちなみに烏帽子はとんがり帽子なので尖った山、茶臼は丸い釣り鐘型が多いようです。茶臼というのは、円筒形の石臼の、携帯タイプのものです。戦国武将は茶道がたしなみで、小さい石臼を持ち歩いてゴリゴリと抹茶を挽いたのではないでしょうか。
またも鉄道&イグルー半島スキー
今回も鉄道入山です。道南方面から海峡トンネルを越えて来る仲間と青森からの私とが、駅で合流。秘境なので、駅でいきなりスキーを履いて出発です。
登れるだけ登ってラッセルして、泊まる時間になって、まだ標高は低いけどイグルー作ります。若いメンバーにイグルーづくりを練習がてら任せたのですが、大きく作りすぎ、刑務所の壁ができてしまいました。
それに標高が低いと日中気温がプラスになることがあるため、積雪の質が重く固くなり、使いづらいブロックばかりになってしまうのです。イグルーは、気温の常に低い標高の高いところのほうが楽に作れるわけです。短いブロックをいくら積んでも壁は高くなるばかり。このパターンは手が届かなくなって屋根ができないやつだ・・・。
2時間過ぎたあたりで、奥の手、木の枝を梁にする手で、あっという間に解決し、杉の葉のはみ出した屋根で、荷をほどきました。やってみるとこれがずっこけるくらい簡単なのです。見栄えは悪いのですが。
奥津軽の名峰山脈を越えて陸奥湾に滑降
標高は低くても、豪雪地の上、登山者も一般人も含めて、ここは人類のいない貸し切り山です。流行らない山を地形図で見つけ計画するほど楽しいことはありません。
遠景の、山麓のブナの冬枯れの薄茶色が、雪面の中に幾重も波のように模様を描いています。低く垂れ込めた雪雲が陸奥湾の上を滑り歩き、対岸の下北半島の岸壁帯がときおり日を浴びて輝いて居ました。
帰路はバス、それから鉄道
途中でシールを落としたメンバーもいて
外ヶ浜の海岸通りの集落に下山したのは日が暮れてから。それでも最終路線バス4分前にバス停に滑り込みセーフ。バスは貸し切りでした。
津軽半島山脈を東から西へトンネルくぐる鉄道で入山して、山の上を西から東へ横断して、また蟹田の鉄道駅へ。
ここで函館方面へ帰る二人と青森へ帰る私でお別れ。
イグルーの屋根は枝を渡せばあっさり解決する、ということを発見してしまった歴史的な山行です。
きょうはここまで。またね。
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