イグルー出入り口問題

イグルー・作り方技術
外からブロックを運ぶ式なので、入り口の門をずっと開けたままのイグルー。そろそろ塞ぎます。2019.2唐沢岳

イグルーの出入り口どうするか?ほぼ二つの方法で落ち着いています。

小さな雪庇のようなものの上に作って下からトンネルで出るとこんな感じです。2010.1津軽半島大倉岳

1.雪が多いところ=小さいドーム=深く掘り下げ

このタイプでは、雪庇脇などに作ることが多いので、雪洞みたいに横の急斜面側から出入りします。下に掘り下げて最後に室内を整形して横に広げたときにでる「くず雪」を捨てるのにも玄関の前に傾斜があるから便利なのです。

傾斜地30℃くらいの樹林帯で。出口トンネル式に。御嶽山2021.2

作るだけ作って、閉じ込められてから、自分で掘り進んで脱出することもあります。床が決まらないと穴の位置が決まらないので、出口ホリが最後になります。横穴部分は吹き溜まりで雪が柔らかいので、大体苦労なく脱出できます。最期は蹴っ飛ばして脚から外へでます。外が傾斜のあるところなので、くず雪をすてるのが楽ちんです。とはいえ、イグルー内を広げたときに生じる「くず雪」、床に均等に敷き詰めて、踏んでしまえば沈んでなくなります。苦労して排雪しなくてもいいです。

平坦部に作ると、地上の一段目が入り口。中では床の上1mくらいのところが入り口です。2021.3白山

2.雪が少ないところや平坦な所に作るとき

このタイプは、地上部分の一番下の段をイッコ外しておいて、そこを出入り口にします。下に掘り下げていくから、出入り口は室内の床より高いところになり、出入りの時は滑り込むような方法になります。アポロ宇宙船の司令船乗り込みの気分かな。イッコ開けた壁は作る時にその上に「橋かけ」をしてどんどん積んでいきます。入り口はザックがぎりぎり入る狭さで良いので、これでよし。初めは小さく積んで最後に両脇ブロックを必要に応じて広げます。橋掛けするから、あんまり穴の幅が大きいとブロックに苦労します。
外からもブロックを供給する方針の時は、内外を出入りできる方が便利なので、入り口の上の橋かけを、あとの方までせずに作業することもあります

入り口のふさぎかたは

スキー以外は何でも中に入れます。ピッケルは壁に刺して、物を掛けるのにいいし、スコップやノコは中でまだ雪をとって食用にするのに必要。アイゼンも中に入れると、朝、風のないところでつけられます。

ふさげる量の中サイズのブロックをいくつか内側に入れておき、ノコでかけらを整形しながら入り口に薄い壁を作ります。下の方は厚めに、上の方は薄くてもOK。風の強い日は隙間も丁寧にふさぎましょう。さあこれで安眠の宿の完成です。マットを敷いて、靴を脱いで、お茶を飲もう。

寒くなければ、ツエルトでも下げてノレンにしておくだけでも良いです。閉めちゃったらトイレは行けないの?その話はまた今度。

きょうはここまで。またね。

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