こんにちは、イグルスキー米山です。
桜も咲いて春ですね。北陸沿いの1500m以上や、2500m以上の南北中アルプスなどではまだ作るのに十分な雪があります。でも、厳冬期に比べると、ちょっと勝手が違います。この季節の留意点を過去の記録を参考にまとめたいと思います。
雪の質は変わってしまった
気温が上がったので、日中溶ける、夜凍るの繰り返しで、固くて重い雪に変わります。とくに日向は顕著です。ノコギリが雪面に刺さらないほど凍っていたら、これはギブアップです。ツエルトでも張りましょう。
4月下旬なのに高温の春で、作れたけれど夕方までに溶けて屋根がメルトダウンしたこともあります。でも夕方までに積み直せればよいです。↓
深さのあるところを探そう
雪にノコが刺されば、下のほうの層ならば、かるかた雪の残りがあることもあります。下層なので、外気の影響が少なく済んでいる層です。これを当てるためには、積雪の多い場所である必要があります。浅かったら、そんな層もないので。案外、陽の当たらない、針葉樹林などに、残っていることもあります。
以前わたしは、この季節はイグルーを諦めていましたが、昨年の栂池からの白馬乗鞍岳では、5月に作れました。積雪量が多い吹き溜まりでもあり、下へ掘るほど、良い雪が残っていました。この時期でも積雪2mもある所だからできました。
トレンチを掘って、確実に長くて硬いブロックを掘り出そう
深層にかるかた層さえあれば、屋根は塞げます。せっかくの貴重な鉱脈だから、真ん中にトレンチをちゃんと掘って、その両脇の雪を無駄にしないよう、ぴしりと角と面の利いたきれいなブロックを掘り出しましょう。トレンチを切るのは、この季節は特に重要と思います。一列の雪を捨てることで、両脇から確実に良いブロックを取り出す方法です。
屋根ができない、あるいは雨降りそうなら、雪壁タープで
積雪が浅くて、かるかた層も無く、屋根が無理っぽいときは、あっさり諦めブロックは壁だけにとどめて、屋根をツエルトやタープで覆いましょう。雨が降りそうなときも。夜になっても気温が高ければ結局屋根ブロックは落ちるので。ツエルト、タープだけのときより、かなり広くて風も防げて快適です。雨降の日に中で小さめの焚き火も可能です。
雪の質を見て、どんな地形にどんな雪があるのか?歩きながら良さそうな「土地物件」を見ながら、目を肥やそう。雪山を楽しむ新しい視点ですよ。雪山は、登ったり、滑ったり、の楽しみだけじゃないのです。冒険登山です。
きょうはここまで、またね。
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