こんにちは、イグルスキーです。
前回の初冬イグルー講習で気づいたことその1です。
「イグルーを登山実用で使うには、製作1時間以内が限度」なので、ドームを小さく作ることが重要です。「作るドーム部の大きさは内径1.8mが限度」です。となると、4人用は厳しい。なぜか?
1.8mとは
畳の長い方の尺です。畳2つ並べると2畳=1坪の正方形。混んでる山小屋ならここに3,4人押し込みます。冬山だからくっついて眠るので幅は一人45cm、一坪に4人でちょうどよいです。殆どの人は身長1.8m以下です。
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左は内経1.8mの円形。3人が限度です。中は4人が過ごせる一坪の方形が内接する円。これは大きすぎて時間がかかり屋根塞ぎが難しい大きさです。右は、四人用ながら下で広げるのでドームは小さく現実的。ただし積雪1mは必要。
1時間で作れる標準サイズイグルーは、いいとこ3人まで
内経1.8m円形ということは、真ん中にのっぽが一人、両脇に1.6mくらいの人が二人で合計3人くらいのイメージです(左の図)。でももし1.8mのノッポが3〜4人いれば、圓に内接する正方形の対角線が1.8×√4なので(ピタゴラスです)内経が2.54mになってしまいます。これはでかくて、ちょっと屋根を塞ぐのはかなり難しい(中の図)。この直径でスタートすると、実践イグルーでは、失敗コースです。
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直径の大きすぎるイグルーです。30cmのノコで切り出せて人が運べるブロックの大きさの制約から、この直径のイグルーを塞げる大きな屋根材はできないので、まあ、不可能なのです。
でも雪面下に掘り広げると、1時間で4人用が可能
だから4人以上のときは、見かけ上のドーム部は小さくまとめて、雪面下で横広げにブロックを切り進めて屋根材にして空間を広げます(上の図の一番右の図)。そして床の形を内経2.54mのでかい円形にする必要はなく、2畳の正方形で十分です。動物と違って人間は、丸ではなく四角の空間のほうが使いやすいのです。それに側壁から長く真っ直ぐなブロックを切り出すので壁も平らになります。
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12月11日の穂高連峰標高2220mでは、かろうじて1mくらい。でも表面の10cmはフワフワ新雪なのでどかして、下部地面との接点はやはり地熱でボロボロなので使えず、いいとこ厚くて70cmでした。満足に取れるブロックは一段だけでした。
少雪季の4人はどうする?
初冬でまだ積雪が少なく、足元のブロックを2段分つまり1m近くも掘り下げできないときは、雪面下で横に広げる方法が使えないので、見かけのドームがほぼイグルーの広さになります。
ということは、4人用は1時間では作れません。二手に分かれて連結ひょうたん島式で2+2や3+3で行きましょう。
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手前と奥と、写真の右外にも、三連結のイグルーです。屋根を作るには丸くないと塞げないので、外観は3つのドーム、下では3部屋がつながった、最大9人用です。手分けして作るので所要時間は一個分です。この場所は例外的に深い吹き溜まり雪だったので、下を広げられたので、みかけのドームもかなり小さいです。
雪が深ければ、ドームはもっと小さくできる
ということは、2〜3人用のイグルーが内経1.8mと先に書きましたが、下に掘って横に広げられる深雪なら、始めのドームは直径1.5mくらいで十分です。というか一段目は1辺1.5mの方形(つまりその上に積むドームの内径はもっと小さくできる)で作ってもOKです。当然ドームが小さいほど屋根塞ぎはとても簡単になります。これより小さく作ると狭くなって作業がしにくくなります。ブロック有効な積雪が1mを越える、1月以降ならば、イグルーを作るのが簡単になるのです。
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