こんにちは、イグルスキー米山です。イグルーブログではじめてのイグルー番外日記です。
きょうは「ブータン山の教室」という、ブータン映画を見てきました。ヒマラヤで「最も時代遅れの国」ブータンの、標高4800mの58人の村ルナナの、こども8人位の学校に行くことになったスマフォとヘッドフォン好きのやや態度の悪い若者の先生が、やがて心を入れ替えるというシンプルな話ですが、時代遅れ(時代錯誤)な登山愛好家としては必見です。
私は22歳のとき1986年に、はじめてネパールヒマラヤの植物調査隊の下働きでヒマラヤの奥地に3ヶ月連れて行ってもらったのですが、延々歩くだけが交通手段の100年前の事態で、今回のルナナみたいなところをめぐり歩きました。はだしの子供、お祈りすること、すきま風吹く粗末な石造り住宅、焚き火で美声で歌う男たち、ヤクのうんこを焚き付けに火を炊くことなど、全てそのころ見覚えのあるシーンばかりでした。主人公もおそらくその年頃で、10万人の大都市ティンプーから沢登りしながら8日かけてそんな所に行ったのだから、当時の私の受けた感激とそう変わらないと思います。
軸になっていたのが「ヤクに捧げる歌」という民謡です。歌はやっぱり聴くだけじゃなくて、歌うものなのです。無伴奏で、のどを使って、気持ちよさそうに山に向かって歌う歌、これがやってみたくなる気持ちもわかる。この映画は、ピーター・バラカンのラジオ番組で紹介されたのですが、その時かけた曲は、ブータンの歌手Lhamo Dukpaがブータン語に訳したボブ・ディランのWith God On Our Sideでした。Apple Musicにありました。
全国でほそぼそとリレー巡回するみたいなので、気長にお待ちいただき、縁があれば映画館で御覧ください。残念ながらサントラ音源などはまだのようです。
穏やかな語り口調のルナナの村長が、アフガンで撃たれた中村さんによく似ていました。主人公はサッカーの香川選手?チベット人やブータン人は、絶対誰か知り合いに似ている人がいます。あの襟合わせする着物も、日本で流行らせたいものです。
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