大きくて長いブロックを角を揃えて取り出す方法
これまでの話で、イグルーを早く作るのは、大きくて長いブロックを角を揃えて切り出すのが大事と話しました。標高の高い(つまり樹林限界以上)、気温の低いところだと、簡単なのです。軽くて硬い「かるかた雪」なので表面も、下の方も、サクサク切れてホイホイ持ち上がって、積めばピタリと安定します。厳しいところほど楽勝なのです。ノコギリも、ギコギコやらなくてもマグロ解体問屋さんみたいに、刀みたいにサクーッと切れます。
しかし標高が低いところは、特に3月にもなると、以前に気温が上がったりして硬くなった層があったり、上のほうが厚く「ずっしり雪」だったりします。そういうところは、なかなかきれいに切れません。ノコ目がきれいに角まで届かないんですね。たとえきれいに大きなブロックを切っても、重すぎて持ち上がらなかったり、屋根材に使うには重すぎだろうと諦めていました。でも、ポイントはノコギリをちゃんと入れることなので、ノコギリを入れやすいように、はじめの一列トレンチを思い切って捨てることにしました。今年思いついた新技術です。はじめの一列はトレンチを掘って捨て、大きいのを狙う。
足元からブロックを出すのに、はじめの一つはノコの切れ目が縦にしか入らず、下面は入らないから、これは崩して掘りごたつみたいにして捨てます。そして、次からは下面にもノコを入れつつ、スコップの幅〜30センチほど、予定の場所に一気に長さ150cmの溝(トレンチ)を掘ります。掘り出すときは上に向かって外開きの角度で切れ目を入れるのをお忘れなく。30cm×30cm×30cmの小さめのブロックでいいです。これはブロックとしては小さいので、壁としては使わず、最期の穴塞ぎ用に脇に置いておきます。でも壁一段目なら幅30cmあれば正直何でもいいのでもったいないから使ってもいいです。
外開きのノコ目
切れ目は、ブロックを取り出す方向に微妙にひらいていないと切れているのに取り出せないです。トレンチなら上方向に微妙に開いた角度で。手前に出すなら手前側にも微妙に開いて。
溝ができてしまうとその両脇からブロックを取り出しやすくなります。下面にもノコの刃を入れられるし、こちら側があいているから楽です。150÷3で3等分、ちゃんとノコの切れ目を入れて大物をいただきましょう。
このとき、端っこではなく真ん中のブロックから切り出します。端っこは壁際なので、外開きにノコ目が入れにくいからです。真ん中だから、堂々と外開きします。そして真ん中が抜けてしまえば、両端のブロックは2面開いているから、もう外開きでなくても大丈夫です。足元から一段あたり、トレンチの両脇に2列ずつ、合計12個の特大ブロックが取り出せます。これがちょうどイグルー一段目の周りを囲む数にあう計算です。実際は入り口を開けるから11個でいいですね。壊れたり、欠けたりありますから、そのときは続いて掘る床下の2段めからもらいましょう。壁の2段めは図のように、計算上は8個あればよいのです。
三段目、四段目は次回に。
きょうはここまで。またね。
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