バンド式シールの北大式処理

道具
シールバンドを親指一本入れれば解きやすいように細工する

今ではほとんど使わないバンドシールの調整

先日イグルー講習会に来てくれた、グリンランドの北氷洋カヤックもした山口さんが、山地の移動手段として、バンド式シールを使いたいということだったので、ウチのシールで図解します。今やシールといえば糊式ですが、1980年代まではこのバンド(ベルト)締め式でした。今じゃ買おうったってなかなか。秀岳荘にはあるかも知れませんが。

なぜバンド式が良いのか

(良くないところ)

●トップとテールに引っ掛けて、グイグイ締めて固定します。糊でついていないから横づれもするし、雪質によっては板との間に雪が入って、それが下駄になって「オモイ〜ッ」ってことにもなります。そういうときは立ち木に横蹴りして落としたりします。

(良いところ)

●糊の調整がいらないから、単純。絶対使用不能にならない安定感は長期山行で最適。糊シールは糊が強ければ剥がすのに一苦労、薄ければすぐ外れて、登り返しが全然できなくなる。低温でも糊が効かなくなるので、悲惨。これで救助を呼んだ話も聞いた。

●着脱がとにかく速い。次に紹介する下準備をしておけば、あっという間に着脱できる。脱ぐだけだったら、スキーを靴から外さなくても外すことができる。上り下りが延々繰り返される稜線縦走など、有利です。

北大式の調整

●踵の後ろのYの字にバンドが交差するところ、金具で引っ掛ける仕組みですが、この三方向のバンドを引っ掛け金具をペンチで潰して永久固定しておきます。凍えた手でこんな小さい金具を引っ掛けていられないので、オーバー手やテムレスのままでも操作できるように。ここは固定しておいて、先にテールを通してからトップをひっかけ、最後に尻尾の紐を閉めればよいだけのこと。

ペンチで潰した金具

●外すときにこの二重リングにはさんだバンドが取れなくて困ります。凍ったりしていたら更に大変。だからひっぱれば緩むように、オーバー手の親指が入る直径6センチくらいのワッコを通しておきます。ここを引っ張ればバンドが緩むしかけです。ちなみに写真の、木綿のような安いロープは、先週、引っ張ったら、一発でキレました。ちゃんとシュリンゲの細いやつ使いましょう。

バンド式は長期山行によい

糊のシールは、日帰りの山行なんかで、登ったらもう降るだけ〜、パウダー楽しむだけ〜というようなBCさんには良いと思います。しかし、ガビガビのザラメ斜面や藪漕ぎ急斜面を登っては下ったりするようなイグルスキーには、着脱しているうちに糊が効かなくなったり、肝心なときに凍ってくっつかなくなったりと、最近、1980年代のシールが懐かしくなって、戻ってしまいました。構造が単純で、自分で修理できる信頼感が何より頼もしいです。

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました